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記憶の栞

最近、付き合いの長い友人と話していると、あぁ…あの頃はこんなこともあったなぁと昔を思い出す。長期的に脳には保存されているものの、何かきっかけが無いと思い出すことができないことも多い。

駄菓子屋を横切った瞬間。凍えた夜道を歩くとき。部活帰りに聞いていた音楽。眠れない夜。田んぼの土の感触。瓶詰めのマーマレードの香り。記憶へアクセスするきっかけは日常の中に散らばっている。何かを思い出すきっかけとして写真もその助けになるだろう。

考えてみれば、アナログ写真ほど優れた記憶のインデックスは無いとさえ思える。長期保存の観点からは出来るだけ進化をしない媒体の方が都合が良いと思う。フロッピーディスクはUSBメモリに置き換わったし、ハードディスクもSSDやM.2の登場によって隅に追いやられている。「家族アルバム」に保管されている写真は今でも見ることができるが、昔のコンパクトカセットテープに記録した動画はもう見れない。

時が流れれば、このウェブサイトだっていつかは消える。データをクラウドに保管したって結果は同じだ。ネットワークの進歩によってデータは粘り強くなったかもしれないが、未だに弱いままだ。脆弱性を狙った攻撃から不正アクセスされることもあるし、サービスだって常に競争に晒されていて、いつ終わるかは誰にも予測ができない。

そう考えると、やはり紙が良い。保管方法にも依るが丈夫な紙面への出力であれば、少なくとも俺が死ぬまでは閲覧可能な状態を維持できるだろう。

もっともっと技術が進歩して、不変的で書き込みが簡単で長期保存がきいてすぐ閲覧できる媒体が出てこないかなぁ。

荒浜海岸

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